遺品の分別方法｜貴重品・思い出の品・処分品を正しく仕分ける手順

遺品整理を進めるうえで最も時間がかかり、悩むポイントが「分別」です。衣類や家具など分かりやすいものもありますが、通帳や遺言書といった重要書類、大切な思い出の品、宗教的な品まで混在しているため、単純に「ゴミ」として処分できません。

この記事では、遺品を「貴重品」「思い出の品」「処分品」の3つに分ける基本的な方法と注意点を解説します。

遺品分別の基本方針

遺品の分別は、次の3つを軸に考えると整理しやすくなります。

1. 資産的価値があるか（＝貴重品）
2. 心情的価値があるか（＝思い出の品）
3. どちらにも当てはまらないか（＝処分品）

この3分類を意識すると、感情に流されにくく、効率的に進められます。

遺品分別の流れ（全体像）

ステップ	内容	ポイント
1	部屋ごとに遺品を集める	一度に全体を片付けず、部屋単位で進める
2	貴重品を優先して探す	通帳・権利証・印鑑などを確保
3	思い出の品を仕分け	写真・手紙などは専用の箱にまとめる
4	処分品をまとめる	家具・衣類・家電は処分ルートを確認
5	専門家や業者に相談	相続や供養が必要なものは相談して判断

貴重品の分別方法

主な貴重品

• 現金・通帳・キャッシュカード
• 権利証・登記簿謄本
• 保険証券・年金手帳
• 有価証券（株式、投資信託）
• 貴金属や宝飾品

注意点

• 小さな封筒や引き出しの奥に隠れている場合がある
• 処分品の中に紛れていないか丁寧に確認する
• 相続や税務に直結するため、専門家に確認してから処分を判断する

思い出の品の分別方法

主な思い出の品

• 写真やアルバム
• 手紙や日記
• 趣味のコレクション
• 衣類や愛用品
• 遺影や位牌などの宗教的品

注意点

• 一度に判断せず、一時保管ボックスを作る
• 家族全員で確認してから残す／処分を決める
• 宗教的な品は供養を通して処分するのが一般的

思い出の品は感情的になりやすいため、時間をかけて整理することが大切です。

処分品の分別方法

主な処分品

• 古い衣類や布団
• 壊れた家具や家電
• 消耗品（食品・薬・化粧品など）
• 使用済みの日用品

処分の方法

• 自治体の粗大ゴミ回収
• 家電リサイクル法に基づく処分
• 不用品回収業者への依頼
• リサイクルショップでの買取

分別の際にありがちな失敗

1. 大切な書類を誤って処分

通帳や権利証が他の書類に紛れ、まとめて処分されてしまうことがあります。

対策：紙類は一度に捨てず、必ず内容を確認する。

2. 家族間で価値の認識が違う

ある人にとっては「ゴミ」でも、別の人にとっては大切な思い出である場合があります。

対策：感情的に判断せず、家族会議で合意形成をとる。

3. 貴重品を業者に処分されてしまう

業者に一任すると、貴重品が「不要品」として処分されてしまうリスクがあります。

対策：残すものリストを事前に作り、業者と共有する。

遺品分別のコツ

• 部屋単位で進める：全体を一度にやろうとすると混乱する
• ラベルを活用：「残す」「確認」「処分」などを明記して箱に分類
• 写真を撮って記録：処分前に写真を残すことで後悔を防ぐ
• 第三者の協力：業者や専門家に入ってもらうと冷静に進められる

専門業者に依頼するメリット

自分で分別するのが難しい場合は、遺品整理業者に依頼するのも有効です。

• 経験豊富なスタッフが効率的に分別
• 貴重品探索のノウハウがある
• 供養や処分まで一括対応できる

費用はかかりますが、トラブルや見落としを防げる安心感があります。

まとめ

遺品の分別は「貴重品」「思い出の品」「処分品」の3分類を基本とすると進めやすくなります。

• 貴重品：資産的価値があるため、最優先で確保
• 思い出の品：感情的価値があるため、家族で相談しながら判断
• 処分品：ルールに従って適切に処分

焦らず、段階的に進めることが後悔を防ぐ最大のポイントです。