遺品の供養方法｜仏壇・位牌・写真などの正しい整理と注意点

遺品整理では、洋服や家具などの日用品と違い、仏壇や位牌、遺影や写真といった「供養を必要とするもの」が含まれることがあります。これらを単なる不用品として処分してしまうと、心情的にも精神的にも後悔が残る可能性があります。

この記事では、遺品整理で出てくる代表的な供養対象の品と、その供養方法、依頼先や費用の目安まで詳しく解説します。

遺品供養が必要なものとは？

供養が必要な遺品は「故人の魂が宿る」と考えられてきた品や、宗教的・精神的な意味を持つ品々です。

主な供養対象

• 仏壇
• 位牌
• 遺影・写真
• 数珠やお守り
• 人形やぬいぐるみ

これらは「ただの物」ではなく、故人や家族の思いが込められています。そのため、処分前に供養を行い、気持ちに区切りをつけることが大切です。

仏壇の供養方法

閉眼供養（魂抜き）

仏壇を処分する際には「閉眼供養（魂抜き）」を行います。これは、仏壇に宿っている故人やご本尊の魂を抜いてから片付ける儀式です。

• 寺院に依頼して僧侶に読経してもらう
• 仏壇供養を行う専門業者に依頼する

仏壇の処分方法

閉眼供養を済ませた後は、

• 業者に引き取りを依頼
• 粗大ごみとして処分（自治体のルールによる）
• 仏壇専門の引取サービスを利用

位牌の供養方法

位牌も仏壇同様に魂が宿っていると考えられているため、「魂抜き」を行う必要があります。

位牌供養の流れ

1. 僧侶に依頼して読経をあげてもらう
2. 閉眼供養を行い、魂を抜く
3. 処分する場合は寺院や業者に依頼

永代供養という選択肢

位牌を新しい位牌にまとめたり、寺院に預けて永代供養をお願いする方法もあります。

遺影・写真の供養方法

遺影や写真は、仏壇や位牌ほど宗教的な位置づけはありませんが、故人の象徴的な存在であるため供養をしてから処分するのが望ましいとされています。

供養の方法

• 寺院でのお焚き上げ
• 遺品整理業者の合同供養サービス
• 写真をデータ化してから原本を供養

特にアルバムなど大量の写真がある場合は、デジタル化して保存することで思い出を残しつつ供養が可能です。

数珠・お守りの供養方法

数珠やお守りは宗教的な意味を持つため、ゴミとして処分するのは避けるべきです。

主な供養方法

• 寺院でのお焚き上げ
• 神社でのお焚き上げ祭
• 専門業者を通じた合同供養

人形やぬいぐるみの供養方法

人形やぬいぐるみは「目があるもの＝魂が宿る」と考えられることが多く、感情的にも捨てづらいものです。

供養の方法

• 寺院や神社での人形供養祭に出す
• 専門業者の供養サービスを利用
• 少量ならお焚き上げに同席させる

遺品供養の依頼先

寺院・神社

最も一般的な方法。閉眼供養やお焚き上げをお願いできます。

遺品整理業者

近年は遺品整理業者が提携して供養サービスを提供しているケースもあります。合同供養としてまとめて供養してもらうスタイルが一般的です。

専門供養業者

人形供養や仏壇供養など、特定の品に特化した供養業者も存在します。

費用相場

供養の費用は依頼内容によって異なります。

供養対象	方法	費用目安
仏壇	閉眼供養＋処分	20,000〜50,000円
位牌	閉眼供養＋処分	10,000〜30,000円
遺影・写真	お焚き上げ	数千円〜10,000円
数珠・お守り	お焚き上げ	数百円〜数千円
人形・ぬいぐるみ	人形供養祭	数千円〜10,000円

供養をめぐるトラブル事例と注意点

1. 閉眼供養をせずに仏壇を処分

後から「魂が残ったままではないか」と不安になり、後悔するケースがあります。

2. 無許可業者に依頼してトラブル

供養と称して回収した仏壇や位牌を不法投棄する業者も存在します。

3. 高額な費用を請求された

供養費用の相場を知らずに依頼し、相場以上の高額請求をされることもあります。

対策：依頼先の信頼性を確認し、費用を事前に明確にしておくことが大切です。

まとめ

遺品整理では、

• 仏壇や位牌：閉眼供養が必要
• 遺影や写真：お焚き上げやデジタル化後の供養
• 数珠やお守り：寺院や神社でのお焚き上げ
• 人形やぬいぐるみ：人形供養祭や合同供養

といった形で、それぞれ適切な供養方法があります。

供養をきちんと行うことで、家族の気持ちに区切りがつき、安心して次のステップに進めます。信頼できる依頼先を選び、心を込めて故人の遺品を見送ることが大切です。