遺品整理を始める前のチェックリスト|スムーズに進めるための準備と注意点
[掲載日]2025/09/26 43 -
遺品整理は、体力的にも精神的にも大きな負担がかかる作業です。いきなり片付けを始めてしまうと「大切な書類を誤って捨ててしまった」「家族間で意見が食い違った」といったトラブルが起きやすくなります。
そこで重要になるのが「事前準備」です。準備をしっかり行うことで、遺品整理をスムーズに進められ、精神的な負担や時間のロスを大幅に減らせます。
この記事では、遺品整理を始める前に確認すべきポイントを「チェックリスト形式」で解説します。
遺品整理を始める前に準備すべきこと

遺品整理は単なる片付けではなく、相続や供養とも関わる作業です。そのため、次のような準備が欠かせません。
- 家族で方向性を確認する
- 必要な書類をそろえる
- 作業に必要な道具を準備する
- 処分・供養・相続の流れを把握する
これらを事前に確認しておくことで、遺品整理を「無駄なく」「安全に」進められます。
遺品整理チェックリスト
| チェック項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 家族の合意形成 | 何を残し、何を処分するかを話し合う | 後々のトラブル防止 |
| 遺言書の有無 | 公正証書遺言や自筆証書遺言を探す | 相続の分配に直結 |
| 必要書類の確認 | 通帳・権利証・保険証書などを確保 | 捨てないよう要注意 |
| 作業道具の準備 | ゴミ袋・ダンボール・マスク・手袋 | 衛生対策も必須 |
| 処分方法の確認 | 粗大ゴミ・家電リサイクル法対象品 | 自治体ルールを把握 |
| 供養の段取り | 仏壇・位牌・遺影の取り扱い | 寺院や業者に相談 |
| 専門家への相談 | 弁護士・司法書士・税理士 | 相続や不動産に関わる場合 |
家族で方向性を確認する
遺品整理は一人で進めるよりも、相続人全員が合意したうえで取り組むのが理想です。
合意形成で決めておくこと
- 形見分けする品の範囲
- 相続財産に含まれるものの扱い
- 作業に参加するメンバーと役割分担
これを決めずに作業を始めると、「勝手に処分された」「必要なものが捨てられた」と揉める可能性が高くなります。
遺言書の有無を確認する
遺品整理の前に必ず確認すべきなのが「遺言書」です。遺言書の有無によって、財産の分け方や整理の進め方が大きく変わります。
遺言書の種類
- 公正証書遺言:公証役場で作成されるため信頼性が高い
- 自筆証書遺言:家庭裁判所での検認が必要
- 秘密証書遺言:本人と証人が署名した上で公証役場に提出
遺言書が見つかった場合は、必ず家庭裁判所で検認手続きを行う必要があります。
必要書類の確認

遺品整理を進めると、通帳や権利証などの重要書類が見つかります。これらは相続や契約解約に欠かせないため、絶対に誤って捨てないよう注意が必要です。
代表的な必要書類には以下があります。
- 通帳・キャッシュカード
- 権利証・登記簿謄本
- 保険証書(生命保険・損害保険)
- 年金手帳・年金証書
- 借用書・ローン契約書
作業に必要な道具を準備する
遺品整理は荷物が大量に出るため、事前に道具をそろえておくと効率が上がります。
基本的な道具
- ゴミ袋、ダンボール、ガムテープ
- 軍手、マスク、消毒スプレー
- マジックやラベル(仕分け用)
- 台車や軽トラック(大量搬出時)
安全面も大切です。マスクや手袋を用意し、埃やカビ対策を徹底しましょう。
処分方法の確認
遺品整理では大量のゴミや不用品が発生します。処分方法を知らないと「自治体に出せず溜まってしまう」という事態になりかねません。
主な処分方法
- 自治体の粗大ゴミ回収
- 家電リサイクル法に基づく処分(テレビ・冷蔵庫・洗濯機など)
- 資源回収(紙・金属・衣類)
- 専門業者への依頼
供養の段取りを確認する
遺品の中には仏壇や位牌、遺影といった宗教的な品も含まれます。これらは単に処分するのではなく、供養を経て整理するのが一般的です。
供養の方法
- 寺院に依頼してお焚き上げ
- 遺品整理業者が提携する供養サービス
- 永代供養や墓じまいと併せて対応
専門家への相談
相続財産が多い場合や、不動産・借金など複雑な要素がある場合は専門家への相談が不可欠です。
- 弁護士:相続争い、遺言の有効性に関する相談
- 司法書士:不動産の登記変更や相続登記
- 税理士:相続税の申告や節税アドバイス
遺品整理を始める前の心構え

最後に大切なのは「心構え」です。遺品整理は物理的な作業であると同時に、故人と向き合う時間でもあります。焦らず、無理せず、時には専門家や業者の手を借りることも選択肢に入れて進めていくことが大切です。
まとめ
遺品整理を始める前には、
- 家族での合意形成
- 遺言書や必要書類の確認
- 作業道具や処分方法の準備
- 供養や相続の段取り
といった準備が欠かせません。これらをチェックリストとして事前に確認することで、スムーズに作業を進められ、トラブルも防ぐことができます。



