遺品整理の費用内訳と追加費用の注意点
[掲載日]2025/09/28 39 -
遺品整理を業者に依頼すると、数万〜数十万円の費用がかかります。しかし見積書を見ても「作業一式」とだけ書かれていて、何にどれくらい費用がかかっているのか分からないケースも少なくありません。さらに当日になって「追加料金」が発生するトラブルもよくあります。
この記事では、遺品整理の費用がどのように構成されているかを分かりやすく解説し、追加費用が発生しやすいポイントや注意点をまとめます。
遺品整理の費用内訳(基本項目)
一般的に、遺品整理の費用は以下の要素で構成されます。
| 費用項目 | 内容 | 相場の目安 |
|---|---|---|
| 人件費 | スタッフの人数×作業時間 | 1人あたり 15,000〜25,000円/日 |
| 車両費 | トラック台数・距離 | 1台あたり 1〜3万円 |
| 処分費 | ゴミ・不用品の処分代 | 荷物量により数万円〜 |
| リサイクル料金 | 家電リサイクル法対象品 | 1台あたり 数千円〜数万円 |
| 供養費 | 仏壇・位牌・人形などの供養 | 1〜5万円程度 |
| 特殊対応費 | 特殊清掃・消臭・危険物処理 | 数万円〜十数万円 |
| 付帯サービス費 | ハウスクリーニング・不動産関連 | 数万円〜 |
各費用項目の詳細

1. 人件費
最も大きな割合を占めるのが人件費です。作業人数と日数によって大きく変動します。
- 1Kマンション:2〜3人で半日〜1日 → 3〜8万円
- 一軒家:5〜8人で2〜5日 → 20〜60万円
2. 車両費
荷物の搬出に必要なトラックの台数や距離で決まります。
- 2tトラック1台:1〜3万円
- 複数台必要な場合や遠距離輸送で増加
3. 処分費
荷物の量が多いと処分費がかさみます。特に大量の衣類や布団、家具などは重量やサイズで費用が増えます。
4. 家電リサイクル料金
対象品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)はリサイクル費用が必ずかかります。
- テレビ:数千円〜
- 冷蔵庫:4,000〜6,000円
- 洗濯機:2,000〜4,000円
- エアコン:2,000〜3,000円
5. 供養費
仏壇や位牌、人形などは処分の前に供養を行います。
- 仏壇の閉眼供養:2〜5万円
- 人形供養:数千円〜1万円程度
6. 特殊対応費
孤独死現場やゴミ屋敷の場合、特殊清掃や消臭作業が必要です。
- 特殊清掃:3万〜15万円
- オゾン消臭:1万〜5万円
- 害虫駆除:数万円
7. 付帯サービス費
遺品整理と一緒に行うサービスです。
- ハウスクリーニング:3万〜10万円
- 不動産売却サポート:業者による
- 相続・登記関連の代行:司法書士報酬など
追加費用が発生しやすいケース

1. 荷物量が見積もりより多かった
当日になって「想定以上の荷物があった」として追加料金を請求されることがあります。
対策:事前に部屋の写真を送る、立ち会い見積もりを依頼する。
2. 処分品にリサイクル対象品が含まれていた
家電リサイクル料金は別途かかるため、見積もりに含まれていないと追加請求されます。
対策:対象品があるかどうか事前に確認し、見積もりに明記してもらう。
3. 特殊清掃が必要になった
想定外に部屋の状態が悪く、特殊清掃が必要と判断されるケース。
対策:事前に現場状況を正直に伝え、必要なら見積もりに組み込んでおく。
4. 立地条件による追加費用
- エレベーターなしの高層階
- トラックが入れない狭い道路
- 駐車場が遠い
こうした条件で人員や時間が増え、費用が追加されることがあります。
5. 当日キャンセルや急な日程変更
スケジュール調整費用としてキャンセル料や追加料金が発生することがあります。
費用トラブルを防ぐためのチェックポイント
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 見積もりに内訳があるか | 「一式」ではなく項目ごとの金額 |
| 追加料金の条件が明記されているか | リサイクル品、特殊清掃、立地条件など |
| 契約前に写真や現場確認をしたか | 見積もりと実際の差をなくす |
| 保険加入の有無 | 損害賠償リスクに備えられるか |
| 複数社で比較したか | 相場感を把握できる |
まとめ

遺品整理の費用は、
- 人件費・車両費・処分費が基本
- 家電リサイクル費・供養費・特殊清掃費が追加で発生することがある
という構成になっています。
追加費用を避けるには、
- 見積もりを詳細に確認
- 事前に荷物や条件を正直に伝える
- 相見積もりで比較する
ことが大切です。内訳を理解していれば、業者からの請求が妥当かどうか判断でき、トラブルを未然に防げます。



